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2014年7月14日 (月)

狂気の1ヶ月がオワリ

開幕前はブラジル優勝でしょ~なんて思っていましたが、蓋を開けたらドイツ。
色々思うところはありますが、イチオシしていたスペインが早々にコケてしまい、日本も何をやってるのかわからない感じでGLで敗退。
面白い試合していたチリやメキシコも去って行き、心の拠り所はアルゼンチンに。
そんなアルゼンチンはメッシ選手が相変わらずの嘔吐をしつつ、決勝トーナメントでディ・マリア選手が怪我してしまい縦へのスピードを失ったまま何とかオランダをPK戦の末撃破したものの、優勝するんじゃね?的に考えていたブラジルを完膚無きまでに叩き潰したドイツに決勝で敗れて惜しくも準優勝に終わり、何か釈然としないまま今回のワールドカップが終了してしまいました。

と言うのが心境なのですが、今回の大会でまず驚いたのが前回王者スペインの敗退。
ただし、これは事前にある程度予測はされていたそうで、バルセロナの調子が下降して行くにつれスペイン代表のクオリティの低下も起こっていたような話を聞きました。
逆に2006年あたりから国内環境の抜本的な改革を推し進めたドイツは、バイエルンがCLを獲って国内リーグのクラブチームも上り調子。前回のスペイン同様に同一クラブから多数の選手を選出することで、戦術の理解度や連携面で非常に有利な状況に持ち込んでいました。また各自の運動量などが多く、システマチックにボールや人が動く光景はさすがはドイツと思わずに入られませんでした。
ただその所為か、同じような戦い方をしていたスペインと比べて地味な印象はぬぐえなかったのですが。
ドイツと共に4強入りしたオランダは、知将ファン・ハール監督が今までのオランダスタイルをかなぐり捨てて勝負に拘る戦い方を選択してきました。緒戦のスペイン戦がその顕著な例かと思われます。従来は攻撃的な形を多くとっていましたが、今大会については基本の入り方として最終ラインを5人で展開し、低い位置で相手に自由にさせないと言う「相手の良い所を潰す」戦い方を主に行っています。これは前線にロッベン選手、ファン・ペルシー選手、スナイデル選手と言った名前だけでガクブルな攻撃陣がいることに加え、カイト選手などの「痒い所に手が届く」選手がいたことから取れた戦術でしょう。

翻って、4強入りしたものの準々決勝の影響でネイマール選手、チアゴ選手を欠いていたブラジルは、ご存知のとおりドイツ相手に歴史的な大敗をしています。確かに2人の主力が欠けたのは大きかったのですが、それ以前に中盤をカヴァーする2人の所謂ボランチがどうもしっくりいってなかったように思えます。その所為かどうかわかりませんが、ダビド・ルイス選手が自分のポジションを捨てて中盤まで出て行ってしまい、元々業を煮やして出て行ったくらいなのでボランチはそこのカヴァーも出来ないのでDFラインがズタズタになってしまうという状況が多発していました。なおダビド・ルイス選手、ヒートマップを見るとほぼボランチの動きだったそうです。この辺りが個々の能力でほぼ同レベル、組織では上回っていたドイツ相手に見事に衝かれてしまいました。攻撃も個人の能力に大きく依存しており、前記の様に能力が同レベルで組織的に守ってくるドイツ相手には中々有効な攻撃を仕掛けられませんでしたね。
アルゼンチンも基本的には個々の能力を基本に戦っているスタイルでしたが、ブラジルとの大きな違いは全体的に重心を真ん中より後ろ気味に置き、緩い様で要所をしっかり締める不思議な守備からメッシ選手やディ・マリア選手、アグエロ選手、イグアイン選手にボールを預けて2~3人で切り込むスタイルを徹底していました。これは「メッシ選手が走らないし守らないけど決定的な仕事をしてくれる」と言う、その特殊な事情もあるようです。現代サッカーでは全員がハードワークをすると言うのが前提で戦術を構築していますが、アルゼンチンに限っては「フィールドプレイヤー9人がハードワークする」スタイルを最後まで貫きました。もちろんこの戦術が成り立つのは、マスケラーノ選手と言う類稀なカヴァーリング能力を持った選手の存在が非常に大きく、恐らくこの選手が存在しなければアルゼンチンは4強、決勝には進めなかったでしょう。ただやはり攻撃は個人能力に大きく依存するため、組織を個で崩す能力を持った選手がミスをしてしまう、または切り崩せないとどうにもなりません。決勝トーナメントではディ・マリア選手が欠けてからそれが顕著になりました。

個人的な見解ですが、昔から言われているように南米と欧州勢の大きな違いは戦術の構築方法にあると思われます。
所謂トップリーグと言われる欧州やアジア地域などは戦術面からアプローチしてチームを作る傾向が多いのに比べ、南米や中南米地域の場合は個人能力から戦術を構築すると言うアプローチをしているように思えます。
特に判りやすいのが上であげたアルゼンチンです。
メッシ選手と言う類稀な能力を持った選手をどう生かすか、と言う面から戦術を構築し選手を組み込んで言っているような感じです。そしてそれを実現できる選手がいたと言うのがアルゼンチンが勝ち進んだ要因でしょう。
欧州などの代表格は今大会のドイツが判りやすいと思います。選手個々の能力も重要ですが、誰か欠けても同じ戦い方が出来ると言うのは戦術面から構築している証左に思えます。オランダの場合は戦術に合わせたと言うより、そういう戦術も取れる人選だったと言う状況でしょうか。

早々に敗退してしまったため国内の反応も薄くなったきらいのある日本代表ですが、大雑把なわけ方をするとやはり(監督が監督だけに)欧州スタイルを選択していました。と言うのも、(自分も含め)日本人は戦術やフォーメーションを特に重視してしまう性癖があり、戦術やフォーメーションがあって選手を当て嵌めて行く形じゃないと上手く表現できないようなのです。
Jリーグなどを見てもそうですが、まずはフォーメーション、そのフォーメーションで出来る戦術、そこでプレーできる選手を選択、と言うプロセスを踏むチームが多いのでほぼあっていると思います。
それが良いとも悪いとも言えないのですが、個人的にはこのフォーメーションありきな戦術構築が好みじゃないので、いつもモヤモヤしています。

さて、今後の日本が目指すべき方向ですが、まずは国内リーグの強化を優先するべきでしょう。
元来Jリーグというのは代表の強化を推し進めるために立ち上がった側面があります。
ここ数年は有望選手の海外流出が多く、また長い不況の末に経営状況が芳しくないクラブが増えて海外の有望選手やビッグネームも中々呼べなくなっています。
代表自体はアジアのトップを走っていますが、Jリーグのクラブチームに関しては前記の状態なので、バブル景気で羽振りのいい中国リーグの後塵を拝している状況です。
まずはクラブチームがACLの決勝常連やCWCの常連となること。それにより世界レベルの真剣勝負をクラブチーム単位で経験していくことが大事です。
選手の流出は避けられないでしょうが、国際試合を経験したクラブがリーグ内に複数存在することで確実に底上げに繋がります。

ここからは、日本代表が敗退したときにTwitterでつぶやいた内容なのですが、最終的には代表に選ばれる選手が国内リーグ、つまりJリーグ中心で選ばれる状況になるのが目標になるでしょう。
これには一応理由があります。
まず、海外(主に欧州)と日本では距離が遠すぎて、現状の代表戦の組み方では選手への負担が大きすぎ、且つ頻繁に集めて練習することが出来ません。つまり戦術の充分な浸透や連携の構築が行い難い状況ということです。
体格面などで不利な日本を世界レベルに押し上げるためには、相手より一歩も二歩も上回る連携の構築が必要ですが、現状ではそれが非常に行い辛い状況となっています。
これが国内リーグ中心で代表を組めるようになれば、ちょっとしたブランクでも合宿に利用できるようになり、長距離移動という選手への負担も確実に減らすことが出来ます。
ただしこれは、国内リーグのレベルが少なくとも南米の1部リーグレベルにならないと実現は難しいでしょうが。
現時点ではただの妄想にしかなりませんが、強い日本代表を目指すのであれば、国内リーグの強化はドイツのように計画的に用意周到に行う必要があり、実行しなければならないと思います。

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